インド禅定林開創30周年
大本堂建立10周年記念大法要を厳修
現地の仏教徒百名近くが受戒
インドの天台宗寺院禅定林(サンガラトナ・法天・マナケ住職)で、去る2月8日、開創30周年・大本堂建立10周年記念大法要が、盛大裡に執り行われた。現地の仏教徒も延べ20万人近くが随喜、開創30年を経て、仏教の教えが着々と根を拡げていることが感じられる法要となった。
今回の記念法要には、天台座主名代として叡南覺範毘沙門堂門跡門主、サンガ住職の師である堀澤祖門三千院門跡門主を始め、パンニャ・メッタ協会日本委員会のメンバーら宗内諸大徳多数が出仕、随喜した。また、同記念大法要に併せて、祖師先徳鑽仰大法会で行われている「特別授戒会」が、禅定林においても、叡南大僧正を伝戒大和上として前日7日に奉修され、インドの仏教徒、100名近くが戒を授かった。

この日のためにインド各地から参集した多くの仏教徒たちは、各々に祈りを捧げたり、静かに手を合わせていた。
また前日の祖師先徳鑽仰大法会「特別授戒会」では、サンガ師より授戒会について、ヒンディー語で説明があり、戒弟たちは、儀式中、『懺悔文』や『四弘誓願』などをヒンディー語で、『三帰依文』をパーリー語で唱えた。戒弟となったインドの仏教徒たちは、日本の法要儀式に初めて臨んだこともあり、はじめは誰もが緊張の面持ちであったが、儀式を終え、晴れて仏弟子となった頃には、それぞれ喜びの表情を浮かべていた。
仏教発祥の地とはいえ、現代のインドは圧倒的にヒンドゥー教徒が多数を占めており、未だ差別、格差も根強く存在している。禅定林を拠点として、平等を旨とする仏教の教えが、さらに拡がっていくことが今後も期待される。