天台宗全国一斉托鉢を実施
共に分かち合うこころをつなぐ
天台宗では、毎年12月1日に全国一斉托鉢を行っており、昨年も同日に実施された。師走のスタートとなる日の托鉢であることから、今では「師走の風物詩」といわれるまでに定着している。同日を含め、全国各教区で実施された托鉢で寄せられた浄財は、一隅を照らす運動総本部の地球救援募金などを通じて、国内外の福祉活動への支援に活用される。

同日、比叡山麓坂本地区で行われた托鉢では、森川宏映天台座主猊下を先頭に、木ノ下寂俊天台宗宗務総長、小堀光實延暦寺執行、延暦寺一山住職、天台宗務庁役職員など約100名が参加。宗祖生誕の地、生源寺で法楽の後、坂本地区の里道を各家の戸口で読経しつつ行脚し、浄財の寄進を受けた。
行脚の道筋では、家々の玄関先に托鉢の一行を待ち受ける人も多く、托鉢行脚へのねぎらいと共に「恵まれない人のために」と浄財を喜捨されていた。
今回の一斉托鉢では、街頭募金が早朝7時半からの先発班と、それに続く後発班の2班に分かれて行われた。また、例年のごとく、地区の一軒一軒をまわる戸別托鉢も行われている。
寄せられた浄財は、地球救援募金を通じて、NHKの歳末たすけあい、各地の社会福祉協議会、日本赤十字社へ寄託される。
「ごくろうさま」の言葉を添えて
坂本地区での托鉢とともに行われた街頭募金は、JRの大津京駅、堅田駅、比叡山坂本駅や京阪坂本駅で行われた。各駅頭では、毎年行われる天台宗の一斉托鉢ということで、「ごくろうさま」の言葉を添えて、心のこもった浄財を寄せるお年寄りや、母親に助けられながら小さな手で、募金箱に浄財を入れる幼児の姿もあった。