四国・三岐教区で特別授戒会
—天台宗祖師先徳鑽仰大法会—
仏弟子となり 菩薩の道を歩む
祖師先徳鑽仰大法会の一環として昨年度から特別授戒会が奉修されている。毎年四地区で一度づつ、七年間に亘って勤められる。去る11月16日には、第四地区の四国教区と第三地区の三岐教区で執り行われた。四国教区では大樹孝啓探題大僧正が、また三岐教区では、叡南覺範探題大僧正がそれぞれ伝戒大和上を勤めた。会場は四国教区が常信寺(薄墨昌澄住職)で戒弟は約40名、三岐教区は慈明院(小池祖堂住職)で戒弟は約200名であった。

これは宗祖大師は、すべての人々がこの菩薩戒を授かり、菩薩の道を歩むことがこの国の安寧につながり、人々の幸せを生み出すと確信されていたからである。
四国教区では、同日午前9時すぎ戒弟が入堂、説戒師の水尾寂芳・延暦寺一山禪定院住職より授戒における心得や要点などについて説戒を受けた。正授戒会では、大樹伝戒大和上の言葉に戒弟ひとり一人が合掌して誓いの言葉を唱和した。また、戒弟はそれぞれ大樹伝戒大和上よりおかみそりを受け、羯磨(かつま)師から仏舎利を授かった。(写真)
授戒を終えるに当たって大樹伝戒大和上より「今日、皆さんは立派な在家の菩薩となられたわけで、このことを忘れず、世のため、人のため日々精進していただきい」との言葉があり、戒弟も感激の面持ちであった。
なお、奉行を木村俊雅長尾寺住職(同教区宗務所長)、羯磨師を米谷静俊福樂寺住職、衆僧には永合韶俊松岳寺住職(同教区宗議会議員)らが勤めた。随行長は田中祥順天台宗参務。
三岐では二百名が授戒
三岐教区でも同じく16日に特別授戒会が同教区慈明院で奉修された。(写真)
伝戒大和上は、叡南覺範探題大僧正、説戒師は佐後映雄佛眼院住職(同教区布教師会会長)が勤めた。戒弟は約200名という多人数のため、授戒会は午前と午後の二座に分けて執り行われた。正授戒では、叡南伝戒大和上の正戒発得などでの「能(よ)く持(たも)つや否や」の問いに戒弟は、本堂いっぱいに響く声で「能く持つ」と唱和していた。
同特別授戒会の奉行は森喜良常住寺住職(同教区宗務所長)、羯磨師は坂本実仁東光寺住職(同教区宗議会議員)がそれぞれ勤めた。なお、随行長は小堀光實延暦寺執行、随行員は中島有淳天台宗参務であった。