「恵心僧都一千年御遠忌御祥当逮夜法要」を厳修
祖師先徳鑽仰大法会は第2期に入り、去る6月9日には「恵心僧都一千年御遠忌御祥当逮夜法要」が比叡山延暦寺阿弥陀堂において、厳かに執り行われた。(写真)大導師は森川宏映天台座主猊下がつとめられ、各教区宗務所長出仕のもと、宗内からは門跡寺院門主、宗機顧問、宗議会議員をはじめ役職者、寺院住職ら多数、宗外からは天台寺門宗、天台真盛宗などの縁故教団の諸大徳が随喜した。
恵心僧都源信は、浄土念仏の思想を体系化し組織化し、その実践についても論じた『往生要集』を著したことで知られる。比叡山横川の恵心院に住んでいたことから〝恵心僧都〟と呼ばれた。天台の浄土観を比叡山において展開した恵心僧都の教えは、法然上人や親鸞聖人などに多大な影響を与え、浄土系各宗に受け継がれた。その経緯から恵心僧都は日本浄土教の祖といわれている。そうしたことから、今回の恵心僧都一千年御遠忌を迎えるにあたり、5月から6月に亘って浄土系の各教団による報恩法要が厳修されている。同日の御祥当逮夜法要は、午前11時より延暦寺阿弥陀堂において、森川天台座主猊下を大導師に、延暦寺一山、各教区宗務所長の出仕により奉修された。
法要を終えるに当たって木ノ下寂俊祖師先徳鑽仰大法会事務局局長(天台宗宗務総長)は「恵心僧都は『往生要集』を著し、浄土念仏の思想を実践するとともに、その教えからは、真盛上人、法然上人、親鸞聖人など多く浄土の教えを信奉する高僧を輩出した。この5月、6月にかけて浄土系各教団による恵心僧都を鑽仰しての報恩法要が厳修された。これを通じて浄土教団との交流が益々親密となることを願っている」と挨拶をした。なお、翌10日の御祥当には、大講堂において「恵心僧都一千年御遠忌御祥当恵心講」が厳修された。



