新会長に大樹孝啓探題大僧正を決定
一隅を照らす運動総本部(横山照泰総本部長)では、2月1日に開催した理事会で新会長に大樹孝啓探題大僧正(書写山圓教寺住職)の就任を全会一致で決めた。昨年12月に森川宏映前会長が天台座主に上任され、同運動総裁に就任されたことに伴う後任人事。また同理事会ではNPO法人ミンガラバー地湧の会(宮下亮善会長・九州東教区大雄山南泉院住職。以下地涌の会)が行っているミャンマー連邦共和国の子ども達への教育支援を視察したことも報告された。
新会長としての抱負をお聞きした。
−一隅を照らす運動をどのように捉えておられますか?
東日本大震災は目を覆うような大惨事でした。私ども、兵庫県民は、津波や放射能災害はありませんでしたが、阪神淡路大震災を経験しました。
どちらの大災害についても、市民、また天台宗の若い僧侶を中心に「何とか困っている人の役に立ちたい」という人達が、誰呼びかけるともなく集まりボランティア活動に従事されました。この「己を忘れて他を利する」の気持ち、これこそが「一隅を照らす」という運動の根本にあるものと思います。
最近、日本だけではなく、世界中で自然災害が非常に増えています。これは地球の怒りという気がしてなりません。自然を自由に支配するというのが欧米の考えですが、東洋では自然と人とは共生し、自然の恵みに感謝し、自然に生かしてもらっているという考え方です。地球の怒りを鎮めるには、自然と共に生きるという考え方に立つべきでしょう。
−一隅を照らす運動をどのように推進していかれるのでしょうか?
かつて、日本は敗戦で塗炭の苦しみを味わい、食べるものも満足にありませんでした。しかし、まだ互いに思いやる心があった。今は、飽食の時代ですが、自分だけ良ければいいという風潮です。
大量生産、大量消費こそが幸せであるという幻想から醒めるべきです。そう考えれば「もったいない」という思いを持つことも大事です。