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比叡山宗教サミット30周年記念「世界宗教者平和の祈りの集い」開催趣旨

1987年8月世界の宗教指導者が比叡山上に集い「比叡山宗教サミット・世界宗教者平和の祈りの集い」を開催し、共に世界平和のため真摯な祈りを神仏に捧げました。そして、比叡山メッセージを発信し「宗教者は常に弱者の側に立つことを心がけねばならない」と誓いました。

科学技術の発展は止まるところを知らず、利便性は飛躍的に向上しましたが、一方では生命倫理を脅かすところまで進んでいます。さらに、グローバル化の波は地球の隅々まで及ぼうとしており、人間の飽くことのない欲望は巨大な資本主義社会を生み、しばしば公正な富の分配を拒んでいます。その結果、政治、経済、教育、医療などいろいろな面で差別に苦しんでいる人々が少なくありません。また、同じ先進国内部でも格差が進行しています。このような富の偏在や差別の増長は怒りや憎悪の拡大につながり、テロの温床となり得る状況となっているといえます。

特にシリア内戦をはじめ、近年の中東の不安定な政治情勢の影響は、北アフリカまで及び、大量な難民や避難民を生んでおります。そのうえ、各地に宗教を標榜するテロ集団が組織され、中東地域はもとよりヨーロッパやアジアでも、テロや破壊活動を繰り返しています。

私たち宗教者は、宗教の名による暴力はもとより、暴力は如何なる理由があっても認めることはできません。しかし、これらの過激主義が台頭する背景については決して鈍感であってはならないのです。それゆえ宗教者はそれらの実相に目を背けることなく連帯して問題に取り組む責任があります。

世界平和を目指すには、お互いの価値観の多様性を認め、共に生きることによって良き友人になることが近道であります。そして自分の宗教を大切にすると同様に、他者の宗教に敬意を払うことが重要なのです。

ところが、近年他者に対して排他的な空気が次第に強まり、世界各国でもそれを容認する政治勢力が力を増しつつあります。

けれども、人間が一人で生きられないように、国も一国だけでは文化的にも経済的にも豊かに発展できません。また、宗教も相互の垣根を越えて対話し、共に時代の問題に取り組んでいかなければ、その存在価値が問われるでしょう。

2017年8月は比叡山宗教サミットが開催されて30周年を迎えます。今、私達の周囲にはかつてない分裂や孤立を誘発する、目に見えない力が働いているような気がしてなりません。その力は世界が直面している貧困、飢餓、差別、人権、核拡散などの問題、さらに平穏に生きる人々を震撼させるテロなどと密接な関係を持っています。

私たち宗教者は、自ら深く問い、足らざるところを神仏に祈り、そして心を開いて相手の立場に立たなくてはなりません。そして、国際機関と協調しながら従来にも増して私たちを取り巻く問題に立ち向かい、平和のために働くことを決意し、ここに比叡山宗教サミット30周年記念「世界宗教者平和の祈りの集い」を開催するものであります。

2016年10月5日

日本宗教代表者会議


全体テーマ

今こそ平和のために協調を 〜分裂と憎悪を乗り越えて〜

基調講演・シンポジウムテーマ

テロと宗教 〜暴力的過激主義に宗教者はどう立ち向かうか〜

分科会テーマ

核廃絶と原子力問題を考える

現在世界は、核兵器と人類が共存することが可能かが大きな問題となっており、同時に原子力の平和利用についても核エネルギーの利用という意味では同根であるという見方が少なくない。ノーベル平和賞受賞者であるオバマ前大統領は、現職の米国大統領として初めて人類最初の被爆地広島を訪れ、以下の演説を行った。

まず「広島への原爆投下は、人類が自らを破壊させる手段の証明であり、このことによって私達が何者でありこれからどのような存在になりうるか問われる。」と述べている。そして「原子の分裂を可能にした科学の革命には道徳上の革命も求められる。」としている。その結果「核を保有する国々と核無なき世界を追求する勇気を持つべきであり、少なくとも他の国への核拡散を止めることが必要である。」と言っている。さらに「私達はたった一つの人類の一員であるという欠くことのできない根本的な考えの共有が必要であり、広島と長崎は『核戦争の夜明け』ではなく『私たちが道徳的に目覚めることの始まりでなければならない』」と結んでいる。

一方「宗教は平和や公正への道を示しながら、信仰が殺戮を許容している側面を否定しきれなかった。」ことも厳しく批判している。この演説を問題提起として私達は標題のテーマについて宗教者の役割と共に考えたい。

貧困の追放と教育の普及

現在世界は通信、交通手段の飛躍的発展によりグローバル化に拍車がかかる一方、富の偏在が生じ格差が大きな問題になりつつある。そこで差別を解消し平和な社会を建設するためには、貧困の追放と教育の普及が喫緊の課題である。ノーベル平和賞を受賞したパキスタンの少女マララさんは受賞演説で次のように述べている。

「ある日突然テロリストが私達を襲い、400以上の学校が破壊され女の子たちから教育を奪いました。教育は権利から犯罪となってしまったのです。これは珍しい話ではなく、どこにでもあり多くの少女に起こっている話です。そこで私は黙って殺される日を待つのではなく声を上げて殺される方を選びました。テロリスト達は私達を止めようとしてバスの中で私と友人を襲いました。しかし、私達は生きのび私達の声はさらに大きくなって行きました。学校に行けない6600万人の女の子の声を代弁しているのです。国連のミレニアム開発目標(MDGs)によって、学校に通えない子どもの数は半分に減りましたが中等教育となるとまだまだです。世界の指導者に、自分の子どもには高等教育を受けさせているのに発展途上の国の子ども達には初等教育だけでいいと思わないで下さい。」と悲痛な叫びをあげている。

国連は、2015年に「持続可能な開発目標」を策定、貧困の追放と教育の普及に乗り出しているが、この問題に対し宗教ネットワークの果たすべき役割は大きい。一方では宗教側にそれを阻害する動きも少なくない。差別の解消の根幹である貧困と教育について考えたい。

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