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比叡山宗教サミット36周年記念 「世界平和祈りの集い」開催趣旨

諸宗教の対話と協力に力を注がれたローマ教皇ヨハネ・パウロII世聖下の提唱により、1986年10月に世界の諸宗教指導者がイタリアの聖地アッシジに集い、それぞれの宗教儀礼で、世界平和を希求する祈りを捧げました。

この集いに参加した第253世天台座主山田惠諦猊下は、「アッシジの精神」を引き継ぎ、日本においても世界平和祈りの集いを執り行うことを世界の宗教者に提言いたしました。日本のさまざまな宗教者もそれぞれの立場で世界平和のための運動を展開しており、宗派を越えたご賛同をいただき、日本宗教代表者会議が主催者となり、1987年8月3日、4日の両日、比叡山山頂にて「比叡山宗教サミット『世界宗教者平和の祈りの集い』」が開催され、世界の諸宗教代表者と共に世界の平和を祈ることができました。

以来、毎年「平和の祈り」は続けられ、昨年には35周年の節目を迎え、「気候変動と宗教者の責務」をテーマに記念大会を開催いたしました。比叡山上での祈りの式典では突如として猛烈な嵐と落雷に見舞われ、祈りの集いは初めてやむなく予定を繰り上げて終了するに至りました。人間の我欲によってもたらされた、抗いがたい自然の猛威を目の当たりにし、われわれ宗教者が果たすべき責務に様々な課題が投げかけられたのであります。

世界では気候変動を起因として多発する自然災害と新型コロナウイルスによって生活様式に大きな変化がもたらされました。そしてロシアによるウクライナ侵攻をはじめあらゆる国や地域間での武力衝突は様々な分野に影響を及ぼし、食料難や物価高騰なども引き起こしています。平和と呼ぶにはほど遠い様相を呈しています。また、人工知能(AI)の進化が加速度を増したとき、倫理的判断の欠如をもたらす状況に危機感を抱かざるを得ません。

私たちは、この祈りの集いを通じて世界の諸宗教指導者らとの信頼を築いてきました。今こそ、これまで培った経験を活かし連帯をより強固にし、利他の精神に基づいた対話と祈りによる平和活動を推し進めなければなりません。

そして先達らによって紡がれてきた、祈りの精神を次世代に継承することをはかりつつ、真の平和が訪れること謹んで祈念申し上げます。

ここに比叡山宗教サミット36周年「世界平和祈りの集い」を開催するにあたり、宗教者が持つ使命と責務を宣明し再確認するものであります。

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