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サミットの歴史

比叡山宗教サミット31周年 − 概要

▲ 比叡山宗教サミット31周年「世界平和祈りの集い」

比叡山宗教サミット31周年「世界平和祈りの集い」が8月4日、比叡山延暦寺の一隅を照らす会館前「祈りの広場」で開催された。仏教はじめ、神道、教派神道、キリスト教、新宗教、イスラームなど、国内外から約1000名が参加し諸宗教間の対話継続を誓い、世界の恒久平和の実現を祈った。

世界平和祈願法要 於 根本中堂内陣

天台宗では、平和の祈りの集い式典前に「天台宗世界平和祈願法要」を根本中堂で厳修。各教区から出仕を仰ぎ、杜多道雄宗務総長を導師に、世界平和と人類の和合が訪れるよう神仏に祈願した。

「世界平和実現へ行動を」との宗内からの機運の高まりから、サミット27周年を迎えた平成26年から営んでおり、今回で4回目の法要厳修となる。(昨年は30周年記念開催のため中止)

杜多宗務総長は、災害被災地の早期復興と世界の平和と人類の安寧が訪れるよう祈った。

また副導師をつとめた小堀光實延暦寺執行が世界平和祈願の護摩を修した。

平和の祈り式典 於 一隅会館前「祈りの広場」

▲ 祈願文を読み上げられる森川宏映天台座主猊下

午後3時、杜多道雄宗務総長の開式の辞により式典が開始され、「第53回天台青少年比叡山の集い」に参加した青少年から平和実現の祈りを込めた折り鶴が奉納された。

法楽に続いて森川宏映座主猊下は平和祈願文を奉読。規範やモラルなど倫理の崩壊が著しいと指摘され、伝教大師が示された『忘己利他』、『一隅を照らす』精神を支柱とし、世界平和実現へ祈りを捧げる大切さを訴え、共に努力することを誓われた。

続いて国内外の各教宗派の指導者らが登壇。平和の鐘が響く中、一日も早い紛争の終結と世界平和の到来を祈り、参加者全員で黙祷を捧げた。

またローマ教皇庁諸宗教対話評議会議長で7月に遷化した故ジャン=ルイ・トーラン枢機卿と世界仏教徒連盟のパン・ワナメティー会長からのメッセージが披露され、宗教の垣根を越えた平和希求への祈りの呼びかけに会場からは拍手が贈られた。

そして未来を担う子ども達からは、立正佼成会の西田友希乃さんと、天台青少年比叡山の集い参加者の加藤良明さんがそれぞれ発言した。西田さんは、募金活動を通じた経験談を披露。生きとし生ける全ての命への感謝や思いやりを大切にし、平和である世界や笑顔でいられる世の中になるよう、自ら行動することを宣言した。また加藤さんは、将来は積極的にボランテイア活動をし、人を助ける職業に就きたいと述べ、世界を平和にするために行動することを誓った。

子ども達からのメッセージ「平和への思い」

次代を担う2人の子ども達より平和への思いを綴った作文が朗読発表された

子ども達からのメッセージ「平和への思い」(1)
 新日本宗教団体連合会所属・立正佼正会  西田 友希乃さん

▲ 立正佼成会 西田 友希乃(にしだ ゆきの)さん

『平和への思い』

私にとっての「平和」とは、みんなが笑顔でいることです。私が笑顔でいられるときは、友達と何気ない話をしているときです。

しかし、その何気ない話をしていても、「今、私は笑顔になれている。」「今とても幸せなんだ。」とは思えていませんでした。それは今、不自由もなく生きているからだと思いました。私は、立正佼正会でご供養をあげたり、募金活動に参加しているときに、今生きていることがすごいことで、とても幸せなことなんだと気づきました。

平和といわれて戦争や紛争のことを思う人は多いと思います。私も戦争のない世界は平和だと考えます。ですが私は、戦争を経験したことのない人が多い世の中でなぜ戦争はだめだといえるのかと疑問に思い、その疑問について深く考えたことがあります。その結論として、戦争が終わり二度と戦争はしてはいけないと願った方々の思いが受け継がれているからだと考えました。その思いの多くは現在に残るかたちとして存在しています。毎年八月になると多くのニュース番組で取り上げられる太平洋戦争の様子、広島にある原爆資料館、戦争での体験談。どれも未来に平和の大切さを伝えるために、かたちとして残したのだといえるでしょう。私たちはその思いを受け取り、私たちの次の世代に受け継いでいくべきだと思います。

どれだけの笑顔が失われたのか、どれだけの人を孤独にさせたのか。体験していない私でさえ戦争の怖さが想像できます。このように平和について考えさせてくれる世の中にいることで、より戦争の無意味さや平和の大切さに気づくことができました。

私は以前、戦争のために使われているロボットが作られているということを知りました。無人ロボットに銃や爆弾を取り付けてたくさんの人々を傷つけるためです。ロボットなので銃弾の命中率はとても高いそうです。

その現実を知ったときとても衝撃を受けました。科学技術やAIが発展している今日、介護用ロボットや教育用ロボットはとても高性能なものが開発されています。少子化が進む一方の日本では、高齢者が多くなり若者が少なくなる中で介護の手はますます必要になってきます。そのような状況で介護ロボットが作られると多くの人が幸せになると思います。私は科学技術やロボットの開発は戦争に使うためにあるのではなく、人々の手助けになるためのものであるべきだと考えました。戦争や紛争は国の問題であるのに、関係のない人がせっかく頭を使い開発を続けても、たくさんの労力やお金が無駄となるのです。

そんな世界に生きている私には何が出来るのかと考えました。でも何も思い浮かばず、何もできない無力さを感じました。ただ、願うことは誰にでもできるのではないかと考えました。直接何か力にならなくとも、教会に来てご供養をあげる、募金活動に参加する、そういった気持ちを届けるだけで無力ではなくなると思いました。

以前、京都教会が取り組んでいる一食ユニセフ募金に参加させていただきました。その募金活動は、食べるご飯がなかったり、重度の栄養不良の恵まれない子供たちの思いを共有するために、自分も一食を抜いてひもじい思いになり、献金して助けるという目的でした。

多くの方が募金活動に協力してくださいましたが、特に印象に残ったのは多くの外国の方が寄付をしてくださったことです。

私は、人と人のつながりや誰かを助けたいという思いやり、自分が役に立ちたいという思いが国境を越えたということに感動しました。一人では国境を越えて人のためになる何かをすることは難しいですが、募金活動のような機会があれば多くの人が平和を願い、平和であることに幸せを感じられるでしょう。

今後私が募金活動をするにあたり、募金活動での人とのつながりや募金に協力してくださる方々の思いを感じながら参加させていただきたいと思います。

そして、今私たちが平和でいられるのは幸せなことである、ということを多くの人に伝えられる活動に参加したいと思います。さらに、人と人とのつながりを考える上で、生活の中にある、人や、生きとし生けるすべての命への感謝や思いやりを大切にし、いつも近くにいて自分を支えてくれている人がいることに気づくこと、与えてもらった優しさをまた誰かに発揮できるような人間になりたいと思いました。 

私はこれらのことから平和である世界や笑顔でいられる世の中になることを願い、私にできる小さなことから行動していこうと思います。

子ども達からのメッセージ「平和への思い」(2)
 天台青少年比叡山の集い 研修生代表 加藤 良明さん

▲ 天台青少年比叡山の集い 研修生代表 加藤 良明(かとう りょうめい)さん

『平和への思い』

先月西日本を襲った豪雨では、多くの尊い命が失われ、沢山の方々が住む家を失いました。

連日の猛暑の中、汗をかきながら行方不明者などを懸命に探している自衛隊の方々や、土砂や流木の撤去作業をしているボランティアの方々の姿はとても衝撃をうけました。

もし自分が被災者だったら、自衛隊、ボランティアの方の温かい支援は本当に救いだと思います。

私は大人になったら、積極的にボランティア活動をしたいと思います。そして、人を助ける職業につきたいと思っています。

病気や怪我で苦しんでいる人を助ける。心が傷つき悲しんでいる人を笑顔にする。人の助けになる方法はいろいろで、人を助ける職業もたくさんあると思います。

将来、人の助けになれる自分になるために、自分ができるボランティア活動などにも参加したりしながら、しっかりと学んでいきたいと思います。  日本は平和であると言われていますが、辞書で「平和」と調べると、「心を痛める事が何もない状態をいう」と書いてあります。

今、私は、学校で勉強をし、友達とたくさん話をし、笑いあえます。家に帰れば、家族で楽しくごはんを食べることができます。自分の好きなことを自由にでき、楽しく過ごすことができます。

こんな生活を振り返った時、私自身は「平和」な環境で、幸せにく暮らせているのだと思います。

しかし、日本では連日たくさんの事件などが発生しています。

私が一番ショックを受けたのは、「障害をもった者は生きなくてもいい」などと勝手な事を言い、障害を持った人を差別し、殺してしまった事件です。

どんな障害をもった人も、健康な体をもった人も同じ人間です。

同じ重さの尊い命をもっています。何が違うのでしょうか。  このようなことが起こる日本は、決して「平和」とは言えません。

世界でも戦争や災害、差別などが多くあり、平和とはほど遠い状態だと思います。

今日ここにおられる皆さまに質問があります。

世界が平和になるために、一番必要な事、大切な事は何ですか?

世界を平和にするために、今の私は何をすればいいのでしょうか。

私ひとりの力は小さいものですが、まずは自分から始めていけたらと思います。

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