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比叡山宗教サミット38周年 − 概要比叡山宗教サミット38周年「世界平和祈りの集い」
▲ 諸宗教の代表者10名が登壇し、共に世界平和への祈りを捧げた 比叡山山上において比叡山宗教サミット38周年「世界平和祈りの集い」8月4日に開催された。本年は戦後80年を向かえることから、昨年ノーベル平和賞を受賞された日本原水爆被害者団体協議会の 平和の式典 於 延暦寺会館大ホール比叡
▲「平和を語る」にて講演する田中煕巳代表委員 「世界平和祈りの集い」が13時より細野舜海宗務総長の挨拶で開式した。 次のプログラム「平和を語る」では、「核兵器も戦争もない人間社会を」と題し、日本原水爆被害者団体協議会(日本被団協)より代表委員である田中熙巳氏を講演者に招いた。 日本原水爆被害者団体協議会は、原爆が投下された1945年から11年後の1956年に結成され、核兵器の廃絶や被害者の救済を訴える活動を続けてこられた。長年にわたる被爆者たちによる地道な活動が、核兵器のない世界を目指して尽力し、核兵器が二度と使われてはならないことを、証言を通じて世界に示してきたことなどが評価され、2024年にノーベル平和賞を受賞された。 現今の世界では自国第一主義が頭をもたげ、グローバル社会における分断が深まりつつある。このような状況から、田中氏は世界が再び核兵器を使った戦争を起こすのではないかとの危機感を抱いておられ、核兵器を地球上からなくすためには、被爆者が目撃したことや体験した事実を通じて世界へ伝えることが最大の方法であるとの考えを示された。また戦争を知らない若者に対しては、「子どもが小さい時から人を愛し、平和を愛する心を育てていく努力をし、未来において核戦争が絶対に起こらないようにしてほしい」と話された。最後に「人の心の安寧を一番願い、作ってくださっている宗教者の皆さん方の努力に対して、がんばっていただきたいと心から願っている」と会場に集まった多くの宗教者たちに期待を寄せて締めくくられた。講演後の質疑応答では多数の質問があり、関心の高さが伺えた。 また、公益財団法人日本ユニセフ協会への支援金寄託式では、細野総長より参加者への記念品相当額の支援金寄託について趣旨説明が行われ、参加者からの賛同を求めた。参加者よりあたたかい拍手の賛同を得て、世界の子どもたちの福祉と教育支援金として、日本ユニセフ協会専務理事である早水研氏に目録が手渡された。また早水氏からは、「世界平和と子どもたちの安全と健全な成長を祈って、これからも祈りの輪を広げていただきたい」と感謝状が贈られた。 平和の祈り 於 一隅を照らす会館前「祈りの広場」
▲ 祈りを捧げる参加者 15時20分からは会場を屋外に移し、一隅を照らす会館前「祈りの広場」にて実施された。 はじめに、次世代を担う宗教者代表として神社神道より戸内結律子師、仏教より犬山空翼師の2名が登壇し1987年の比叡山宗教サミット「世界宗教者平和の祈りの集い」において採択された『比叡山メッセージ』の朗読が行われた。 そして、定刻の15時30分には各教宗派・団体を代表し祈りを捧げるべく、教派神道連合会を代表し出口紅師、全日本仏教会を代表し村山廣甫師、日本キリスト教連合会を代表し大塚喜直師、神社神道を代表し田中恆清師、新日本宗教団体連合会を代表し石倉寿一師、日本ムスリム教会を代表し柏原良英師、世界宗教者平和会議(WCRP)日本委員会を代表し戸松義晴師、世界連邦日本宗教委員会を代表し宍野史生師、ローマ教皇庁駐日大使フランシスコ・エスカランテ・モリーナ閣下、主催者代表として藤光賢天台座主猊下の10名が登壇。そして天台仏教青年連盟の甲斐健盛代表と清水信秀副代表、裄V最一副代表が撞く「世界平和の鐘」の音に合わせて参加者一同は心をひとつにして平和への祈りを捧げた。
▲藤光賢天台座主猊下による主催者代表挨拶 また、藤座主猊下が主催者を代表し「私たちはあらゆる兵器や暴力のない、慈愛に満ちた社会の実現に邁進いたします」と述べられた。 その後、日谷照應全日本仏教会理事長が、世界仏教徒連盟(WFB)パロップ・タイアリー会長からのメッセージを、モリーナ大使がローマ教皇庁諸宗教対話省ジョージ・ジェイコブ・クーバカド長官からのメッセージをそれぞれ代読した。 最後に獅子王圓明延暦寺執行より閉式の挨拶があり、比叡山宗教サミット38周年「世界平和祈りの集い」は閉会となった。 |
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