天台宗からのお知らせ
 
◆天台座主 年頭のお言葉
宗祖大師の理想へ近づく努力を
天台座主 半田 孝淳

 新年、明けましておめでとうございます。
 皆様には、めでたく平成二十年の初春をお迎えのこととお慶び申し上げます。
 さて、過ぎし平成十九年は、総本山延暦寺及び天台宗門にとりましても、開宗千二百年慶讃大法会の最終年度として、比叡山宗教サミット二十周年行事など諸行事遂行に多忙な年でありました。
 私にとりましても、二月に第二百五十五世渡邊惠進前天台座主のご譲職を承けて、二百五十六世に就任以来、三月のご拝堂式から御修法、傳燈相承式、宗教サミット二十周年、法華大会を経て、十一月には天皇皇后両陛下の比叡山行幸啓を賜るなど、多くの行事・儀式にお出会いさせていただきました。
 殊に、天皇皇后両陛下の比叡山行幸啓は、開宗千二百年結願の年に史上初めて両陛下相お揃いにて根本中堂ご本尊をご拝礼いただくなど、天台宗・延暦寺の光栄は云うに及ばず、私自身にとりましても、大書院において余人を交えず、両陛下に延暦寺住職として直接ご挨拶させていただく誉(ほまれ)に際会しえましたこと、身に余る光栄事でありました。
 また、宗教サミット二十周年記念「世界宗教者平和の祈りの集い」についても、十七カ国三十数名の海外代表のほか、日本宗教代表者会議に結集した各宗教宗派から二千名余の参加者を得、天候にも恵まれて、国立京都国際会館での熱心な協議、比叡山上での篤い祈りが成功裡に終始し、「和解と協力」を主題とした比叡山メッセージ二〇〇七を、世界に向けて発信することができました。
 宗教サミット事業には、その当初から関わりを持ち、今回は名誉議長の大役下で臨んだ私にとりましても、物故された先覚者の思いを継続しえたことと合わせて、大きな感動を覚えたところであります。
 さて本年は、三月に開宗千二百年慶讃大法会が総結願を迎え、これを期しての法要も予定されております。
 「あなたの中の仏に会いに」をスローガンとして、仏性とあるべき人間性の開発・確認を目途とした総授戒、そしてこれを受けての伝教大師御廟、浄土院参拝を眼目とした総登山を主要事業として展開し、相応の成果を得つつあると聞き及びます。
 この開宗大法会の理念と成果を次の時代へより良く伝え、宗祖大師の理想へ一歩でも近づく努力を続けることが肝要と思っております。
 老骨ながら私自身、そのための精進・努力の先頭に立つ心算段を強くいたしております。
 宗徒、檀信徒並びに一般読者諸氏にも、一層のご支援とご協力をお願いいたします。

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