天台座主猊下新年ご挨拶

新年のご挨拶

天台座主 森川宏映

新年明けましておめでとうございます。
皆様には、清々しく初春を迎えられたこと、お慶び申し上げます。

 昨年は、平昌オリンピック・パラリンピックやテニス全米オープン、ノーベル医学・生理学賞の受章など、世界で活躍する日本人の姿が、私たちに元気を与えてくれました。

 しかしながら、世界各地で発生する自然災害の猛威は容赦なく、日本においても二月の大雪に始まり、六月に大阪府北部地震、七月に西日本北日本豪雨、八月の酷暑に続き台風20号21号が、九月の北海道胆振東部地震や台風24号と、相次ぐ天変地異が続きました。被災されました皆様には、心よりお見舞い申し上げる次第です。

 さて、昨年の比叡山を振り返ると、法階継承において最も重要な古儀のひとつ、別請廣学豎義が執り行われました。それにより、新探題に山田能裕大僧正、新已講に藤光賢大僧正、新擬講に堀澤祖門大僧正を補任いたしました。誠にご同慶の至りに存じます。

 また、天台宗内外から多くの支援をいただいております総本堂根本中堂改修事業は、お堂全体を覆う素屋根が完成し、今年は、塗装の剥ぎ取りや銅板屋根の撤去などを行い、修学スペースからの見学が魅力あるものになると期待しているところであります。

 そして今年の祖師先徳鑽仰大法会の事業では、二年後に伝教大師一二〇〇年大遠忌を控え、伝教大師最澄様の御教えやご功績を広くお伝えするべく魅力交流事業を展開してまいります。

 なお、本年は、平成最後の年、新天皇陛下の御即位の年であります。最澄様が比叡山を開かれた折に詠まれた「あきらけく 後のほとけの み世までも 光つたへよ 法のともしび」の思いに心を馳せ、世界が平和であり、住みよい地球でありますようにと、ご祈念申し上げ、新年の御挨拶とさせていただきます。

天台座主 森川宏映

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