宗祖伝教大師一千二百年大遠忌法要 執行にあたり

天台宗宗務総長 阿部昌宏

 天台宗が奉修しております、祖師先徳鑽仰大法会の掉尾を飾る宗祖伝教大師一千二百年大遠忌法要が厳修できますことは、多年に亘る宗徒並びに檀信徒各位の御助力の賜と深く感謝する次第であります。

 十年に及ぶ大法会期間中、平成二十三年には国難といわれた東日本大震災が発生し、令和二年から世界に蔓延している新型コロナウイルス感染症は、グローバル社会となった全地球的規模の対応が求められております。

 かかる状況下、厳粛に宗祖大遠忌法要をお迎えすると同時に、この勝縁を契機として取り組んでおります延暦寺根本中堂大改修事業はじめ諸事業を推進し、伝教大師のご精神を現在に活かし、道心ある人を充満せしめて、「山川草木みなほとけ」なる浄らかな仏国土の建設、ひいては「世界平和と人心の安寧」に益々寄与しなければなりません。

 かくて千載一遇の大遠忌を一層意義あらしめ、もって祖恩報謝の誠を尽くさんとするものであります。

令和三年四月二十八日

天台宗宗務総長 阿部 昌宏

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