天台宗からのお知らせ
 
◆天台座主猊下新年ご挨拶
天台座主 半田 孝淳

 新年明けましておめでとうございます。本年が皆様にとりまして良い年になりますよう心より御祈念申し上げます。

 旧年、比叡山では法階継承の最も重要な古儀のひとつである別請廣学豎義が行われました。そして新探題に叡南覺範大僧正、また新已講には菅原信海大僧正、更に新擬講には井深觀譲大僧正を補任いたしました。誠にご同慶に耐えない次第でございます。

 さて、平成二十四年四月に開闢いたしました祖師先徳鑽仰大法会は、本年四月から第二期に入ります。
 それぞれの祖師先徳方に対してご法要を奉修し、報恩謝徳の感謝の意を表させて頂くのはもちろんのことでありますが、第二期にあたりまして、宗徒並びに檀信徒一人ひとりが、現代社会に祖師先徳方の教えをいかに敷衍していくか真剣に考えなくてはなりません。
 またこの度、六十年ぶりに根本中堂が大改修される運びとなりました。
 前回「昭和の大修理」と呼ばれた大改修は昭和三十年に完成をいたしております。
 今回は本堂と回廊の屋根吹き替え、また朱色が落剥した柱や天井の塗り直しが中心となります。
 私どもには、宗祖大師が比叡山に入山された折に建立された一乗止観院、日本仏教母山と呼ばれる比叡山の総本堂である根本中堂を、忘己利他、本末一如の精神でのちのちの世まで護り伝える責務がございます。
 総本山延暦寺はもちろんのこと、天台宗においても今回の大改修を祖師先徳鑽仰大法会記念事業の柱と位置づけております。
 皆様におかれましては、この機に重ねて宗徒、檀信徒が共に根本中堂建立の所以ならびに、歴史と天台宗信仰について再確認され研鑽を積んで頂きたく存じます。

 新しい時代、新しい歴史に向かって、宗門の力を結集され、もって第二期の祖師先徳鑽仰大法会の幕開けとされんことを大いに期待いたしまして新年のご挨拶といたします。


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