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天台座主 半田 孝淳
新年明けましておめでとうございます。皆様には清々しく初春を迎えられたこととお慶び申し上げます。
昨年三月には五カ年にわたり厳修いたしました、天台宗開宗千二百年慶讃大法会の諸事業も、各位のご尽力により円成いたすことができました。期間中、いただきましたご支援、ご協力に対し衷心より御礼を申し上げます。
今回の大法会では「あなたの中の仏に会いに」を合い言葉として「総授戒」を中心事業とし、全国より三万有余の方々に尊いご縁を結んで頂くことができました。
お授戒は各々に本来具わっている仏性を、仏様を心に頂くことによって活性化し、受戒者自身が菩薩として生まれ変わる儀式であり、仏様と二人三脚の生活に入るということであります。
あなたも菩薩、私も菩薩と互いに拝み合って生活することが出来れば、これこそ浄らかな仏の国であり、娑婆即浄土の顕現であります。
菩薩として生活する上で守るべき三つの約束があります。これが三聚の浄戒であります。先ず第一は悪い事はいたしません。第二には善い事は進んで行います。そして第三は多くの人々や生き物と共々に手を携えて歩みます。この三つを仏様とお約束し、心の芯に据えて日々暮らす事が菩薩としての生活であります。どれも言葉としてはとても簡単でありますが、これを実行するとなるとなかなか難しいものであります。
宗祖伝教大師を讃仰する和讃では「己を後に、他を先に」「悪しきを我に、善きを他人に」とあります。このお言葉で教えてくださっているのは「自分だけが良ければいい」「我先に」と言う今風の考えでは決して幸せにはなれないということではないでしょうか。
開宗千二百年慶讃大法会は昨年をもちまして円成いたしましたが、宗祖伝教大師のこのご精神を宗徒各位はもとより、多くの檀信徒の方々とともに、今日の社会に広く呼びかけて参るため老骨ながら努めたいと、今年一年の年頭に当たり思うところでございます。
本年が皆様にとって幸多い年となりますよう心からお祈りいたします。 |