天台宗について

法話集

No.85機嫌(きげん)

 「ご機嫌ななめ」「ご機嫌うかがい」「上機嫌」などと、毎日のように私たちが愉快か不愉快かなどの気持ちや気分を表すときに使うこの「機嫌」と言う言葉は、仏教の戒律が語源です。
 もとは「譏嫌」と書き、譏(そし)り・嫌(きら)うという意味で、他人の「譏嫌」を受けないようにする戒律からきています。
 『大般涅槃経』聖行品第七之一に「息世譏嫌戒(世の譏嫌を息(や)める戒)」という戒律があり、「罪にならない事はもちろん、世間の人たちから譏り嫌われない行動をとる」ために決められた戒律の一つで、「人が不愉快と思うような言動は慎みなさい」という意味です。
 やがて、「機」が「機転」や「機知」などの語に象徴されるように、細かい心の動きを表す意味を持つことから「機嫌」という表現が作られ、そこから「上機嫌」つまり「愉快なこと・気分・気持ち」を表す言葉が派生してきました。
掲載日:2011年03月28日

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